初めに
デジタルカメラの時代になっても、19世紀に写真が最初に発明されてから原理・原則は変わっていません。写真というものはフイルムであれ、デジタルであれ何に写しとるかは変わっているものの、光を取り込み、感光させる事に何も変化していません。
言葉は、デジタルの進展によってデジタル用語に変わって来ているものの、写真の原理・原則は、下記の小学3年生でも分かる掛け算のママです。
写真画像 = 明るさ(蓄えられた光) = 単位時間あたりの光の量 × 時間
スマホでもデジタルカメラでも変わらないのは、シャッターボタンを押した時、機械(実際は制御ソフトウェアですが)が、「写真を写すためには、どの位の光を蓄えなければならないか」を決め、「被写体の明るさがどの位か」を読み取り、「感光時間を計算」しています。
少しわかりやすくするために、次に光のイメージ図で整理してみましょう。
写真に閉じ込める光は面積で考える
縦に単位時間あたりの光の量、横に感光時間(シャッタースピード)として、3つの場合のチャートを書きました。正方形の(A)に対して、(B)・(C)縦長、横長となっているものの、写真に閉じ込めた光の量=面積は全て同じです。要するに、3枚とも光の量と時間が異なるものの、明るさとしては同じものとなります。
目で感じた場合の明るさが明るい(もしくは暗い)のに、写真だと違うな〜と思う大きな違いはここにあります。2倍明るければ時間は半分で十分だし、半分の明るさなら2倍の時間が必要になる。とても当たり前のようですが、カメラを持つと途端によく分からなくなってしまう事ですね。
面積の大小の意味
今度は、「入る光の量」「光を捕まえる効率」「時間」をそれぞれ、変化させてみました。そうすると、面積が元の状態から大きくなったり、小さくなったりしています。
例えば、面積が20,000なら、2倍明るい写真、2,500なら、1/4の暗い写真という事になります。でも、2倍明るいとか、1/4暗いと言ってもピンと来ません。人間にはピンと来なくても、機械にとってはちがうということなんでしょうね。
ちなみに、2とか、1/2という2の倍数を書いているのは、理由があります。次回で詳細を書きますが、マニュアル露出で撮影をする際には、カメラの感光する仕組みを数式にしたApex System(Additive system of Photographic EXposure)という考え方でカメラを操作していきます。 2倍の光の量を1Step明るい、1/2は1Step暗いという感じになります(ちなみに、Stepを日本のカメラマンは段と表現しますが、カメラでの表記はStepとなっている事が殆どですね)。
中締め
出来る限り簡単にと思って書いてみたのですが、何度も読まないと難しい内容ですね。この辺りの話がスッと頭に入ってくると、一気に中級者になると思いますし、ドタ感で撮った後、すぐにマニュアル露出が使えるようになります。
ちなみに全部カメラ任せのプログラムオートや、絞り優先オートだと、カメラ内蔵の露出計から自動的に撮ってくれるのですが、被写体の光と言ってもどこを測光しているのか良くわからないので、チョット凝った事をしようと思うと詰まってしまったりします。お気をつけください。
No Trackbacks.